漢方治療について

漢方治療と保険診療

「漢方薬は高い」というイメージはないでしょうか?
確かに朝鮮人参のような高価な生薬もありますが、医者が処方する漢方薬(医療用漢方薬)の大部分は健康保険適応です。
薬価の平均がだいたい1日120円くらいですので、3割負担で1日分の自己負担額が40円弱です。(あくまでも平均ですが)
町の薬局で買うよりはずっと経済的です。
また、あまり知られていないのですが、西洋薬と漢方薬が同じ保険で、かつ同じ先生から治療が受けれるのは日本だけなのです。
日本の医療制度は西洋医学と漢方医学にとって恵まれていると行っても過言ではないでしょう。

「漢方薬」はメイドインジャパン

漢方という言葉は江戸時代に蘭学(オランダ医学)と区別されるためにつくられたものです。
漢方医学や漢方のルーツは中国ですが、日本国内に導入されてから原料生薬の実情、日本人の体質、日本国土の気候などに合わせてアレンジされて今の「漢方薬」が成立していった経緯からメイドインジャパンの医学と言われています。
特に気候は非常に大きな影響を与えました。日本は中国と比べると雨が多く、湿度が高いのが特徴です。そのため冷えや痛みに対して体の中の偏った水分(湿)を取り除く治療法が多いです。
漢方医学≠中国医学で日本の伝統医学なのです。

「漢方薬」の飲み方

昔の漢方薬は処方された生薬の組み合わせを家で土瓶で煎じて飲む薬でしたが、現代では顆粒剤を中心に携帯が可能になっています。
普通の薬と一緒に水で飲んでもいいのですが、冷えがあったり、風邪の場合は白湯で飲むとより効果的です。
「食前または食間」というのが医療用漢方薬の服用方法となっていますが、私は食間に服用していただくことをお勧めしています。
食間とは決して食事中という意味ではありませんのでご注意を!
食間とは食後2時間ほど経過した空腹時です。あまり杓子定規にならずに「お腹がすいているときに飲む」ぐらいに考えていただければ結構です。大切なのは1日量を一定期間飲み続けることです。

「漢方薬」は長く飲まないと効かない?
一般的な漢方薬は2週間くらいで効果があらわれます。中には速攻性のある漢方薬もあり、10~20分で効果が期待できるものもあります。
一概に「長く飲む」ものではありません。
1か月以上服用を継続しても効果を実感できない場合は薬が合っていない場合がありますのでお気軽にご相談下さい。

漢方は個の医学 ~同病異治~

かぜに使われる漢方処方は約10種類あります。
元々の体質や病状によって処方を決めて治療します。
「便秘」においてもしかりで、同じ数の漢方処方があります。
これは漢方が病気をみるのでなく、人間個人を見る医学であるオーダーメイドの医学であるゆえんです。
同じ病気でも人によって処方が違う
のが漢方治療の原則です。

漢方は複合薬 ~異病同治~

西洋薬は1つの有効成分を製剤化したものですが、漢方薬は原則2つ以上の生薬から構成されています。
1つの生薬には数種類の有効成分が含まれていますので、結果的に複合薬となっています。
従って、1つの漢方薬で複数の症状に効く異病同治が大きな特徴です。

漢方にも副作用がある

漢方薬と言えども、身体にとっては異物ですので、副作用はゼロではありません。
診察によって、どの漢方処方が合うのかという判断には、知識と経験が必要ですし、それによって副作用の予防にも役立ちます。
素人知識で漢方薬を漫然と服用することは、おすすめしません。
漢方薬を飲み始めて、異事が感じられたら、どんな些細なことでも申し出てください。
比較的多い副作用は胃腸症状、皮膚症状など軽度なものです。